毎日2万 m3の廃水が デンマーク ・エスビャウにあるRenseanlæg Vest廃水処理施設に流れてきます。地元の公益事業会社DIN Forsyning社が運営するこの 施設 では、流れてくる 廃水 を複数回処理してから北海に放出する必要があります。 この施設 特有の課題 は、ここに流れてくる水の約6割が産業廃水である点でした。 この施設は290,000 PE(29万人から排出される廃水の処理)ができるように建設されています。
嫌気性消化処理中の正確な換気量調節
アンモニア度数を抑える嫌気性消化処理は、エネルギー消費量が多いながら重要な廃水処理工程です。嫌気性消化処理タンクのインレットバルブを開閉することによりアンモニア度数を管理します。監視カメラシステムを使い、水の中のアンモニア度数が最適な範囲から逸脱すると、 シリンダーに信号を送り、Vポート・ナイフゲート・バルブを開閉して、換気量を調節します。運用管理部は、換気量を正確に調節できることが極めて重要だったと言います。
「嫌気性消化処理はコストのかかる工程で、 廃水処理施設全体のエネルギー消費量の約1/3が嫌気性消化処理タンクのコンプレッサーに起因します。そのため、嫌気性消化処理中に無駄な電力を使わないよう、正確にバルブの調節ができることが不可欠でした。LINAKシリンダーは求めていたとおりの精度でバルブの開閉を行うため、当社にとって極めて有益だと感じています」
電動シリンダーのメリット
エスビャウのこの廃水処理施設がLINAK製品を選んだのは、 正確な動作と省エネ設計であったからだけではありません。
「数年前、嫌気性消化処理タンクで使用していたバルブソリューションを 交換する際に関連業者から情報を収集していたところ、(近郊の町)リーベの廃水処理施設が従来のシリンダーソリューションをLINAKの電動シリンダーに交換し素晴らしい成果を挙げていたことがわかりました。そこで当社もLINAK製品を導入することに決めました」
Renseanlæg Vest 廃水処理施設の運用管理部は、最先端シリンダーシステムを試すこと にした決定を後悔していません。
「LINAKシステムは低コストで調達できます。また、メンテナンスも保守も必要ありません。極めて頑丈で、廃水処理施設内の装置が受けるあらゆるストレスにも問題なく耐えることができます。取り付けも極めて簡単です。当社のバルブはすでに取り付けられているためアクセスしにくいのですが、軽量で小型のLINAKシリンダーは簡単に取り付けることができます。わずか2名の作業員が取付作業を完了し、クレーンも不要でした」
Renseanlæg Vest廃水処理施設の今後の計画
エスビャウの廃水処理施設の経営陣は、 処理工程をさらに最適化、効率化するための方法を常に模索しています。現在、この施設の運営会社は、別の町にあるRenseanlæg Øst廃水処理施設へのLINAK®シリンダーの導入を検討している他、 いくつかのプロジェクトが進行中です。
「当社が運営している各種施設のさまざまな箇所でもLINAKソリューションを導入していくでしょう。 例えば、沈殿槽、嫌気性消化処理タンクのインレット、雨水槽の開閉門などでの導入が考えられます。現在のソリューションを交換する際には、確実にLINAKシリンダーを検討します」
また、この運用管理部はRenseanlæg Vest廃水処理施設をさらに最適化していく抜本的な計画も検討中です。この計画は、 エスビャウ市役所からの要請に従い、廃水処理施設での越流量を減らし、資源利用率を改善することが中心となっています。
「当社がリーベの廃水処理施設に問い合わせたように、当社も同業他社から問い合わせを受けています。LINAKシリンダーを導入した感想について聞かれますが、当社での経験を伝えられることを嬉しく感じています」と、DIN Forsyning社の運用管理部担当者は言います。