IC(ドライバー内蔵)電動シリンダーには別途コントロールボックスやリレー回路の必要がないため、より簡単に設置可能です。IC(ドライバー内蔵)電動シリンダーは複数のフィードバック信号に対応していることに加え、ストロークのIN/OUTにおけるエンドストップ信号の送受信、カスタマイゼーション、シリンダーの動作監視が容易に行える制御ソリューションです。また、同期運転を可能にし、BUS通信機能を内蔵しています。

LINAKのICには出力の極性切替が出来るHブリッジを搭載。
IC(ドライバー内蔵)電動シリンダーのフィードバック機能と設定オプションの概要は下記のとおりです。貴社要求に合った動作と容易な組み込みの参考としてください。
フィードバック
シリンダーからフィードバック信号を受信することで、伸縮位置を正確に把握することができます。ほとんどの装置で、最適なパフォーマンスの実現にはこのフィードバック機能が不可欠です。
IC(ドライバー内蔵)電動シリンダーでは多種のフィードバックから希望の1種類を搭載でき、シリンダーの位置を簡単かつ素早く把握することができます。
相対位置
相対位置はカウント型フィードバックです。これは、例えて言うと、はしごを上る際に、最下部から何段目というように考えるのではなく、はしご段を掴んだ数に基づき、位置を決めるのに似ています。このフィードバックでは、給電されていないときにシリンダーが数ミリ動くと、正確な位置フィードバックができなくなるため、常に給電される機器に向いています。給電されていないときにシリンダーが動いた場合、ストロークの(INまたはOUT)物理的エンド位置まで動かして再度原点決めを行い、較正の必要があります。
フィードバックの種類:
- シングルホール
- デュアルホール
絶対位置
絶対位置は機械に記録され、シリンダーがその位置を忘れることはありません。電源が切れたり、入ったりする機械ではこのフィードバックを使うことをおすすめします。この種類のフィードバックは、電源が再び入ったとき、シリンダーが現在位置を把握しています。
フィードバックの種類:
- メカニカルポテンショメーター
- アナログ 0-10 V・4-20 mA
- PWM
- エンドストップ信号
このビデオでは、LINAKの電動シリンダーエキスパートがIC(ドライバー内蔵)電動シリンダーで使えるフィードバックの種類と、貴社製品に最適な制御装置を選べるよう、それぞれの用途について説明します。
設定
IC(ドライバー内蔵)電動シリンダーの設定オプションを用いることで貴社製品に最適な動きを提供します。
下記のパラメータを設定できます。
- フィードバックの種類と拡張可能性
- IC(ドライバー内蔵)電動シリンダーはユーザーの制御に適したフィードバック方式を選ぶことが可能です。希望のフィードバック方式を選んだら、フィードバック出力レンジ(例えば4-20 mAなど)を設定します。これにより、シリンダーがIN位置のときにはフィードバック出力が4 mA、OUT位置のときには20 mAなどと設定することができます。フィードバックはパルスであり、出力品質が分解能に反映されます。基本的に、スピンドルピッチが狭いと高分解能となり、より正確な位置フィードバックが可能になります。ストロークの仮想エンドストップ位置(バーチャルエンドストップ)を設定すると、それに合わせてICがフィードバック量を自動調整します。例えば、ストローク長の半分の位置でシリンダーを停止しなければならない機械では、ストロークの物理的エンドストップではなく、その位置で信号出力が20 mAになります。
- 仮想リミット(バーチャルエンドストップ)
- 仮想リミットはIN・OUTの両方の位置で定義できます。シリンダーが運転指令を受信すると、ストロークの仮想エンドストップ位置まで動いて停止します。貴社が製品のプロトタイプとして電動シリンダーを使用している場合は、この機能は特に有用です。また、ストローク長を時折変える必要がある機械でも、この機能は便利です。
- ソフトスタート・ソフトストップ
- ソフトスタートとソフトストップ機能により、シリンダーはスタートから全速まで緩やかに加速または全速から緩やかに減速して停止します。この機能はシリンダーの製品寿命を延ばすだけではなく、機械の動作をスムーズにします。ソフトスタートとソフトストップはミリ秒の精度で設定することができます。工場設定値は300msec(別途記載のある場合を除く)ですが、最長30secまで設定し直すことが可能です。
- 電流制限
- 電流制限はIN・OUTの両方向で設定できます。気温の変動はシリンダーの電流消費量に影響します。IC(ドライバー内蔵)電動シリンダーは周辺温度に応じて、事前に定義した2つの電流制限を適用してこれに対応します。装置の条件に合わせた電流制限が設定可能です。
- 速度可変
- シリンダーの工場設定は最大速度(100%)に設定されていますが、最大速度に対してのパーセンテージで設定することが可能です。最大速度の50%未満に設定するとシリンダーの性能低下をもたらす可能性があるため、最高速度の50~100%で設定することを推奨しています。

LINAK® BusLink設定用ソフトウェアから、すべてのパラメータを監視・設定することができます。
一部のIC(ドライバー内蔵)電動シリンダー限定です。
お使いのLINAK IC(ドライバー内蔵)電動シリンダーの設定方法は、こちらのガイドまたは以下のビデオでご確認ください。LINAKのシリンダーエキスパートがBusLinkの機能について説明します。