私たちは一日のうち、かなりの時間をオフィスで過ごしています。健康的なライフスタイルを望むのであれば、勤務時間中に健康を維持し、活動的になるために何ができるかを考えることも重要です。これは、あなたやあなたの体だけでなく、雇用主にとっても有益です。健康なワーカーは、会社にとって真の財産です。
テレワークでもオフィスでも、業務に取り入れられるさまざまな取り組みがあります。もちろん、人には個人差があり、ある人には効果があっても、ある人には効果がないこともあります。ですから、仕事の改善にできることを取り入れて、できないことはそのままにしておきましょう。
身体を動かしながら働く
このテーマを明らかにするために、David Dunstan教授にお話を伺いました。教授はメルボルンにあるベイカー心臓・糖尿病研究所の身体活動研究室室長で、活動的に働くことのメリットを熟知しています。教授によれば 「 研究によると、主に座っているよりも、就業中に体を動かすことは、多くの身体調整プロセスにとって、より有益であることがわかっています。これには、脳、血糖クリアランスの増加など、身体全体の血流の増加が含まれます 」。
しかし、仕事をしながらこれらのメリットを実現することは可能なのでしょうか? David Dunstan教授は 「 私たちの研究では、昇降デスクは 1日中、座りっぱなしで過ごす時間を減らすための重要な要素であることが一貫して示されてきました。昇降デスクを導入することにより、作業者は座位または立位で仕事をすることができます。座位と立位の姿勢を頻繁に変えることがカギとなります 」と説明しています。
仕事に没頭していると、ときどき立ち上がるのを忘れてしまいがちです。しかし、LINAK が実施した研究によると、立ち上がるためのリマインダーを設定することでデスクワーク中に立ち上がる時間が増加することがわかっています。そのため、LINAKはWindows や iOS 、 Android 向け無償アプリを開発しました。
立ち上がることもよいのですが、David Dunstan教授によると、さらによいのは動くことで、最もよいのは機敏に動くことだそうです。しかし、仕事をしながら動くことは可能なのでしょうか? 可能です。昼休みに散歩する、電話をしながら移動する、一番遠いウォーターサーバーまでに歩く、ウォーク&トーク会議にするなど検討してみてはいかがでしょう? 創造力を働かせれば、運動を仕事の中に取り入れることができます。
人間工学が重要
また、仕事中の痛みや不快感を防ぐためには、人間工学に基づいた配慮が不可欠です。
デスクや椅子は自分の体に合った高さに設定し、正しい姿勢を保つようにしましょう。腕は机の上にゆったりと置き、足は床にしっかりつけて、背中をしっかり支えてください。
ご心配なく。一日中、完璧な姿勢で座っていたり、立っていたりすることはできませんので、時々姿勢を変えることが重要です。頻繁に姿勢を少し変えて、調整することがベストです。モニターまでの距離と高さもチェックするとよいでしょう。両手をまっすぐ前に伸ばしたとき、テキスト文書の1行目の高さで指先がすれすれモニターに触れる位置です。

生産性の維持 - 休憩を取る
生産性を維持するためには、休憩が必要です。1日中、画面の前で100%集中できる人はいません。画面から目を離すことで、目の疲れを取り、心もリラックスさせて充電する時間が必要です。多くの場合、休憩は数分間もとる必要はなく、視野を変え、リフレッシュすることで体を元に戻すことができます。
休憩時間を利用して、建物の周りをちょっと歩いたり、同僚と話したり、コーヒーを入れたり、小さなストレッチやエクササイズをしたりと、アクティビティを増やしてみましょう。緊張した筋肉をほぐすと、心も明るく元気になります。首と肩の10のクイックエクササイズを試してみてください。
体と心の声に耳を傾ける
仕事に集中していると、体が発するシグナルを無視しがちです。しかし、順調に物事を進めたい場合は、体の声に耳を傾けることが大切です。目の届くところに水を置き、のどが乾いたら時々口にするようにしましょう。コーヒーや紅茶もよい水分補給になりますが、飲みものの大半は水であるべきです。
空腹感も長く無視することはできません。身体は、仕事をこなすためにエネルギーを必要としています。昼食前にお腹が空いているように感じたり、午後の疲れを感じたりしても大丈夫。ヘルシーなおやつを準備すれば、罪悪感なく食べられます。

最後になりますが、ストレスを感じたら行動すること、動きたくなったら立ち上がることです。最も重要なことは、自分が機械ではないことを受け入れることです。ある日は他の日よりもよいことがあり、それでよいのです。